2010年03月27日

THE FINAL

「立川談春25周年スペシャル独演会ーTHE FINAL-」で東京厚生年金会館。


演目は「粗忽の使者」「愛宕山」「たちきり」。

定評のある談春の「たちきり」。
談春バージョンは、若旦那にお灸をすえるため、芸者からの手紙を隠して百日間蔵に閉じ込める番頭さん自身の人生と心情にけっこうな時間を割いていて、これが、ベースにある若旦那と小糸の悲恋話に深いコクを加えている。

「たちきり」という噺に出てくる登場人物は、女将さん以外ピュアが過ぎて、「あほちゃうか」っちゅうほど不器用に感じる。
悲恋の物語ゆえ人々がピュアなのは当然なんだけど、正直「そんなに好きならなんで信じられなかったのか」と、どうしても思ってしまうのだ〜。
特に小糸。
花柳界で生まれ育って、男と女の酸いも甘いもいやというほど見て来ているだろうに。
古典にツッこむのは無粋とはいえ、人情噺として聴くとどうしてもねえ。
結局私は最初に米朝で聴いた「たちぎれ線香」の、あえてのにぎやかな上方演出のほうが好きなんだなあ。

とはいえそこはさすがの談春。
薄汚れた私の心にも、女将の語りシーンはしんしんと響く。
あっちこっちですすり泣きの渦。
「愛宕山」で爆睡していた両隣の初老の紳士も、「たちきり」ではわれんばかりの拍手を送っていた(いや「愛宕山」もすばらしかったですよ。念のため)。

ちなみに東京厚生年金会館は、この3月いっぱいで49年の幕を下ろす。
ファイナル公演は談春、さだまさし、松山千春という、なんともマイ思春期スターな顔ぶれ。

またひとつ、昭和が終わる。



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Posted by いのうえさきこ at 23:35 │常なる日々