2013年04月06日

『趣味の部屋』

豪雨で渋谷の坂という坂が川になった一日。
『趣味の部屋』鑑賞でパルコ劇場。

『相棒』好きで『リーガル・ハイ』好き、ならば周知の古沢良太脚本&映画『クローズド・ノート』の行定勳演出。
出演は中井貴一 戸次重幸 原 幹恵 川平慈英 白井晃。

間違いないと思って観に行ったら、やはり間違いなかった。
ミステリ仕立てなのでネタバレはできませんが、最大値の期待に全身で応えてくれたエンタメ作品でした。
手放しでおもしろかった!

全体の構成は演劇オタならず、古書オタ、ガンダムオタをくすぐりまくった「あるある」なつくりとなってます。
TEAM NACSの戸次重幸が演じる「趣味を探し求め、今はクロスワードパズルを趣味にしようとしている男」の、情けない存在感もひときわ際立っておりました。

観劇後感は、それこそ巨大なジグソーパズルのすべてのピースがカチッとハマったときの爽快感。そしてなんともいえない虚脱感。という感じでしょうか。

…まあ私自身は大きなジグソーパズルを完成する気力も能力にも欠けているので、真にそういう気持ちになるのかどうかは知らないのですが。

フィクションを観て他人の「趣味」の喜びに同調できる。
古沢良太の脚本の凄さに、またしてもやられてしまった。

キーワードはThe Show Must Go On.
作る方も演じる方も観るほうも、趣味だろうが仕事だろうが。
始めてしまったからには続けなければ、真実はつかめないのかもしれません。  

Posted by いのうえさきこ at 23:59常なる日々

2013年04月03日

般若の心境



花粉のせいとばかり思っていたら風邪だったり、反応するのはスギ花粉だけと思っていたらヒノキにも諸症状が出たり、とはいえお花見は外せないのでウキウキとお酒を飲んでいたらまた鼻水が止まらなくなったり。
と、毎年ありがちな繰り返しをしているうちに4月になってしまいました。
きょうのような雨の日は、おっさんのようなくしゃみも止まり、いたって平穏です。

月刊「YOU」で集中連載中「文学男子ーBUNDAN」ですが、次回15日発売のテキストは我ながらチャレンジャーの『般若心経』を取り上げてます。
おそらく日本で一番詠まれているであろう教典です。
主人公の文学男子は、観音菩薩様。


↑描いた観音様はこんなん。

当然ですが、美しく慈悲深い男子です(厳密には観音様は性別を超越した存在らしいですけど)。

お釈迦様はストイックで孤高で気高い理系男子ですが、観音様は我々庶民の気持ちに「大丈夫大丈夫」と寄り添ってくれるやさしい文系男子。

もともと空っぽの脳みそに「般若心経」の「空」の概念など説明できるわけもありませんが、観音さまの魅力がちょこっとでも伝わるといいな〜と思って描きました。ぜひ読んでやってください。

ちなみにタイトルの「般若」というのはいわゆる仏教用語における「智慧」的なニュアンスでして、決して

    画像無断転載

こういう状態のことではないです。はい。
平たい顔族の私にとっては、これぐらいハッキリした顔はちょっとうらやましいですが。


『文学男子ーBUNDAN-』(集英社刊 税込980円)

  

Posted by いのうえさきこ at 12:45常なる日々