2011年05月26日

今月のボツ原稿



掲載号のタイミングでネタ元ドラマ「犬を飼うということ〜スカイと我が家の180日」が終了してしまっているのでした。

今期クールのTVドラマは「犬を飼うということ」ともう一本、「マルモのおきて」が、「犬&子ども」しばりできてまして、「マルモ」のほうはいまエンディングの踊りをなんとか覚えようと必死のパッチ(関西語圏における「一生懸命」の最上級)です。
動画を見ながら練習しているにもかかわらず、実際は出演者画面のなかの世良さん並みのたどたどしさ(比べるのもおこがましいですが)。

ピンクレディーの新曲なら一晩で振りを叩き込むことができた、若かりし頃の脳みそが懐かしい。
新しい情報はさっぱりなのに、親父ギャグならすんなり出てくる老化した脳と取り替えてほしい。  

Posted by いのうえさきこ at 14:45常なる日々

2011年05月23日

ダジャレイ夫人の恋人(定番)

ただいま「you」(集英社)で必死に連載中「文学男子ーBUNDAN」は『曾根崎心中』から『リア王』ときて、現在発売中に掲載『レ・ミゼラブル』と、ヘビィな作品が続いておりますが、10回目に取り上げる作品は『チャタレイ夫人の恋人』。

昔ショーン・ビーンが出てる映画を観たような観てないような。
というか、観たはずなんですが内容をすっかり忘れてまして、原作読んだのは今回が初めてです。

で、ふと思いついてショーン・ビーンを検索してみたら、別人のように容姿が変貌していました。
過去好きだった男子の思い出っていうものは、ヘタに掘り起こさないが吉ですね。


でも、中年だってときめきは大切よ。
と、期待をもって読み始めたのですが、あれ、想像していたよりエロくないです。
たぶん情事のあいだじゅう、特権階級と労働者階級との対比とか、リベラリストの皮をかぶった貴族の本性とか、性行為を通じて自然に回帰するとか、まあとにかく非常にアカっぽいことを哲学的テーマにのっけて喋りまくっているせいだと思いますね。
一方でこんなこと喋りながらもやることはやってるっていうのがなんとも。
「左翼はセックスにフリーダム」という偏見も更新されてしまいましたよ。

でも小説そのものはとっても面白く一気読み。
中学生のときに読んでおけば、もっとめくるめく体験ができたかも、と思うと少し残念ですが、町内に1件しか本屋さんがなかった田舎の中学生女子にとって、顔見知りのおっちゃんからこれ買うにはハードルが高すぎたでしょうからしかたない(それとも中学校の図書館にはあったのでしょうか。『ヰタ・セクスアリス』と『デカメロン』がしょっちゅう借り出されてたのは覚えてるけど)。

というわけで次回「文学男子ーBUNDAN 『チャタレイ夫人の恋人』編」は、6月1日発売号に載ります。読んでやってください。

で、あんまりにもこってりした作品が続いて脳が疲れたので、次はさっぱりめの短編行きます。
取り上げる作品は、世界中から愛されているアメリカの某大作家が書いた、ほぼすべての人が読んでる某短編小説。
ちなみにこの某大作家、私と誕生日が同じです。

同じ誕生日なのに、なにこの違い。
世界なんてぜいたく言わない。
日本語圏で5万人ぐらいの人に愛され(訳:本買ってもらえ)ればいい。

ぜいたく言うだけならタダですからね。  

Posted by いのうえさきこ at 14:02常なる日々

2011年05月20日

『ふまじめ介護 ゆうゆう流』

講談師・田辺鶴瑛さんの本にちょこっと漫画を描きました。


『ふまじめ介護 ゆうゆう流』(著/田辺鶴瑛 発行/主婦と生活社 1238円税抜)


実母、義母、そして現在進行形で義父を介護されている田辺さんの、本気で本音の介護経験談&指南書第2弾です。

私自身、今はまだ両親が達者でいてくれるので東京でのんきに仕事してられてますが、もしどちらかが倒れたらどう行動するか、という思いは常に頭の片隅にあります。
比較的仕事に自由がきく身とはいえ、いざ介護の当事者になったら私のミニマムな親孝行心などホコリ程度にあっさり吹き飛んでしまうような気もバリバリしますし。

それでもいつか必ず向かい合わなきゃいけない問題を、著者の鶴瑛さんはさまざまなアプローチで乗り越えていってます。

具体的な方法は本を読んでいただくとして、私が「鶴瑛流介護」で気に入っているのが、「女優」になること。
毎日毎日、狭い世界で向き合っているのは、介護するほうもされるほうもストレスがたまるもの。
そこで鶴瑛さんは、「ニット帽をかぶったズーズー弁のスンズキさん」というキャラを作り、介護している「じいちゃん」の前で演じるのです。
「じいちゃん」はこの、悪い人じゃないんだけどデリカシーのない「スンズキさん」が大の苦手で、寝たきり老人とは思えないほどの激しい抵抗を見せ、この攻防が、2人にとっても行き詰まった介護生活のアクセントとなっているのですね。
過去に女優経験もあり、強烈なオーラを持っている鶴瑛さんならではの山の乗り越え方ではありますが、キャラクター作りから入るこの方法、衣装を工夫することも含め、ちょっと楽しそうではないですか。

今年はいろんな意味で生き方を考える契機が多いのですが、どんな価値観であれ、自分の中にゆるぎのないモノがあり、自分の役割を果たそうとしている人間はやっぱり強い。
問題抱えて思い詰めてる頭が、ちょっとほぐれる本だと思います。

  

Posted by いのうえさきこ at 13:12