2010年06月04日

金歯の友

定期的にメンテナンスを受けている歯医者さんで、大昔に入れた奥歯の詰め物に隙間ができ始めていると指摘され、べつだん痛くもかゆくもなかったのだがなんせ20年越しの治療痕ということもあり、詰め直してしてもらうことにした。

で、聞かれるわけだ。
「金にしますか? 銀にしますか? セラミックにしますか?」


前歯ならいざ知らず、覗き込まなきゃわからない上の奥歯にセラミック入れる気は毛頭なし。
さりとて金歯というのもなんだかじじむさい(まあ実際本人がじじむさくはあるんだが)イメージ。
保険の効く銀歯で十分だと思っていたのだが。

金は適合性が高く再治療のリスクが比較的低めなこと。
天然の歯の固さに近く、噛み合わせの歯の研磨が少なくて済む。
歯科医師自身、見えない部分は金歯にしている人が多い等々。

若きイケメン歯医者さんの説明(もしくは説得)を聞いているうち、金歯への思いがぐらぐらわき上がる。
「とはいえけっこうなお値段だしな〜」と躊躇していたところへ決定打。

バンビのようなつぶらな瞳を持った担当の男性歯科医師、やおら顔を近づけマスクをはずすと
「実は僕も金歯なんですよ
とでっかく開いた口内奥にライトをあて、ギラリと輝く金歯を見せてくれた。

というわけで、現在私の右上奥には、無事きっちりと黄金の詰め物が光り輝いている。

いま冷静になって考えてみると、あんだけ治療跡だらけの歯医者ってどうなんだっつう気がしなくもないが、いやしかし決して後悔はしていない。

肉体的にも精神的にもいろんなパーツにガタがきはじめている昨今、少なくとも私の奥歯は今、あの歯医者さんと同じまばゆい光を放っているのだから。  

Posted by いのうえさきこ at 00:06常なる日々