2009年11月20日

いぶりがっこ

見つけづらいが、全国各地の書店にひたひた堅実に置いていただいているはず『食わせろ!県民メシ 47都道府県のお国自慢グルメ』(講談社)の打ち上げで、ナガハマ先生&担当S君と共に東北居酒屋「なまはげ」六本木店へ。

S君のご長女名付け話やナガハマ先生のラジオ出演音源などを聞きながら、いぶりがっこチーズ、比内地鶏の串焼き、松尾牧場の馬刺、どんどん餃子、桃豚の溶岩焼きなど、東北名物を太平山を飲みながらもりもり。横手やきそば、ババヘラアイスで〆。

なんだかんだと女子っぽい話もつきず、なまはげショーを2回も見てしまうことに。
この日2回目、前に立ったなまはげには「おめ、ずいぶん長居してるけんど、ちょっと飲み過ぎでねェが?」と体の心配までしてもらう。
なまはげにやさしい言葉をかけてもらうとは、私もずいぶん弱ったものだ。
いや、嬉しかったです。なまはげの中の人、ありがとう。

いぶりがっこを初めて食べたのは、もう5年ほど前になるだろうか。秋田の秋之宮温泉で泊まった旅館の朝食の一品としてそれはあった。
一口食べてこりゃびっくり。


予想以上に大きな声を出していたらしい

素朴なんだけど木の香りがこうばしくて歯ごたえもあって、ものすごく好みの味。

「なまはげ」で食べたいぶりがっこには、ごくごく普通のプロセスチーズをはさんであったのだが、これまた意外なことによく合っている。ワインとかでもいけそうな気がする。クリームチーズもありなんじゃないかな。
ああ書いてるだけでお酒が飲みたくなってきた。

たくあんをアレンジした料理つながりで思い出したのが「たくあんのたいたん」(どこにでもある家庭料理と思い込んでいたのだが、wikipediaでは「京都、滋賀、福井、石川に分布する」としか書いていない。そうだったのか…)。
要はたくあんの煮物だ。
塩抜きした「ひねたくあん」をだしとしょうゆとみりんで煮た、我が家では非常にベタなごはんのおかずだった。
たくあんのパリパリ感がなくなってやわくなり、大根の甘みがほんのり感じられて、最後に散らす鷹の爪がピリリと全体を〆ていて。

ごはんにとっても合うのだが、ぶっちゃけ子供の頃は「地味なおかずだな〜」としか思わなかった。
しかしまあ


(『ビフォーアフター』風)。


大人になるとどんなごちそうより(いやごちそうは今も大好きだけど)、こういった家庭料理が無性に食べたくなってしまう。
なんせ自分ちの畑で育てた大根を、自分ちでたくあん漬けにし、古くなったたくあんをまたまた煮物にして、自分ちで作った米のおかずにしているのだ。
今から思うと、なんとぜいたくな食体験をさせてもらっていたんだろう。

シャキシャキの大根サラダも、しみしみのふろふき大根もおいしいけれど、とことんまでいぶり倒して漬け倒して煮倒して、最後まで飽きずにおいしくいただく大根の食べ方がある。

旬は一度きりではない。あきらめなければ、きっと何度だって違う形で輝ける。

……こういう一文を付け足さずにはいられないのも、きっと私が古たくあんになったせいなんだろうなあ。

『食わせろ!県民メシ 47都道府県のお国自慢グルメ』
(文:永濱敬子 漫画:いのうえさきこ 発売:講談社 税込1050円)
  

Posted by いのうえさきこ at 15:38『食わせろ!県民メシ』