2008年08月01日

sisters

パルコ劇場で「sisters」。
作・演出/長塚圭史 出演/松たか子 田中哲司 鈴木 杏 吉田鋼太郎 中村まこと 梅沢昌代

どっと疲れた。

芝居がつまらないわけではない。むしろめちゃくちゃ面白い(この言葉も語弊があるのだが)。
きりきりと頭の奥をねじ上げられているような、どうしようもなく痛々しい、救いようのない、どこまでもどす黒い、そしてすごみのある舞台だった。

真相が徐々につまびらかになっていく場面では、舞台と客席の空気がピンとはりつめたているのがひしひしと伝わってきて、いや、もう今は「すごいものを観てしまった」という気持ち。
私の斜め後ろの男性は、何度も何度も静かな深いため息をついていて、それすらも静まり返った客席にひびきわたっていたから、たぶん他のお客さんも同じ気持ちだったのではないだろうか。

長塚圭史は苦手だと思い込んでいたが、今回はとてつもなく言葉がしみこんできた。
もちろん役者さんの力量もあるんだろうが。
杏ちゃんは若いのにすさまじくうまいし。松たか子の狂気の表現にも胸をつかれた。
吉田鋼太郎はシェイクスピアものによく出ている人なんだね。さすがの迫力に息をするのもはばかられるほど。

帰りに渋谷駅前の「あくとり代官 鍋之進」にて「焼きメレンゲの艶々伽哩鍋」。
熱々うまうまのカレー鍋で、体中にたまった澱をデトックスデトックス。
しかし年々シリアスなテーマが心身にこたえるようになってきたなあ。現実がシビアなので、舞台ぐらいはエンタメを求めてしまうということか。
「だから30オーバーの女性がジャニーズに走るのですよ」
社長の言葉が今夜はしみる。  

Posted by いのうえさきこ at 23:59