2018年08月14日

9月6日トークイベントに出ます。

突然ですがトークイベントに出ます。

中川明紀×いのうえさきこ
「料理で旅して、世界と出会う」
『ソウルフード探訪』(平凡社)&『東京世界メシ紀行』(芸術新聞社)刊行記念




上のリンク先に詳細はのっていますが、トークのお相手は「ナショナルジオグラフィック日本版」で「世界魂食紀行」を連載、この春『ソウルフード探訪』を上梓された中川明紀さん。
世界60カ国の郷土料理を食べ歩いた胃袋と筆力の持ち主で、今さらいのうえの顔なんか見に行っても…と思っている方にも興味深いイベントになることうけあいです。

開催は9月6日(木)20時から。
場所は下北沢の本屋B&B。
ワンドリンク付き2000円です。

「9月6日の松崎しげるの日にB&Bで」と覚えて下さい(しげる氏は出ません)。



チケットはこちらからご購入できます。
来たいやつだけ来ればいい。いや嘘です。どうか来て下さい。お願いします。




Amazon↑のリンクを貼ってますが、入荷が遅れ気味のようです。
都内なら実際の本屋さんに置いていただいている確率が高めです。
漫画コーナーではなく「旅行」「紀行文」などのコーナーにありがちかも。

  

Posted by いのうえさきこ at 15:28お仕事ライブ

2018年08月09日

『東京世界メシ紀行』いよいよ

クーリエ・ジャポンで足掛け3年かけて連載してきたグルメ漫画
『東京世界メシ紀行』いよいよ10日発売です。



この企画を最初に持って来てくれたクーリエ・ジャポンの元編集長I氏、
オールカラーでの書籍化を実現してくれた芸術新聞社担当のY田氏、
私のあいまいなイメージを素敵な装丁として具現化してくださったデザイナーのH田氏、
連載時、店のセレクトや実際の取材に尽力してくれたライターのナガハマ先生、
そして何より取材にこころよく協力してくだり、素敵なお話を聞かせてくださった世界中のレストランの料理人やスタッフの方々。
連載中、この漫画を読んでくださっていた読者の方々。
お礼を言わねばならない方々をあげれば、まだまだきりがないのですが、あらためて



この漫画を食べることが好きな人に楽しん読んででもらえれば、
おいしいものが大好きな人においしそうと思ってもらえれば、
きっときっと



…うん、ちょっと想像しただけでぐっときます。

『東京世界メシ紀行』(芸術新聞社)


よろしくお願いします。

  

Posted by いのうえさきこ at 22:59お仕事

2018年08月08日

『東京世界メシ紀行』もうちょい

もう10年ほど前の仕事になるのですが、友人でもあるライターの永浜敬子氏と共著で出した『食わせろ!県民メシ 47都道府県のお国自慢グルメ』(講談社)という本がありまして。
きょう、Twitterでフォローいただいてる方のつぶやきで久々に思い出し。

そうそう描いてた描いてたそんな本…。

これは!



『県民メシ』と『世界メシ』。

世界中を放浪した放蕩息子が、ひとまわり大きくなって懐かしい母ちゃんのごはんに帰ってくるような、そんななんともいえない感動を覚えました。
ああやっぱり私は食べることが大好きなんだなあ。と。
そしてどちらの本も、取材は都内を一歩も出ていないところが泣かせます…。

『県民メシ』のほうでは、福島ページで深谷かほる先生にもご出演していただいてます。



先生の顔についてるつるつるした丸は顔のツヤを表現してます。自分の絵力のなさにはもう諦念の境地です。

どころか、ご自宅に押し掛けて、福島名物「いかにんじん」を作らせてます…。
若いって恐れ知らずですね。この時点で全然若くはなかったのですが。
これはもう三部作として『宇宙メシ』を描くまでは死ねませんね。

それはさておき、いまは『東京世界メシ紀行』を全力で推していきます。
8月10日の発売まであと1日です。
  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年08月07日

『東京世界メシ紀行』まだまだ

滋賀代表の近江高校が、春の甲子園準優勝校の智弁和歌山に勝って初戦を突破しました。



「いい試合をしてくれればいい」
ぐらいのぬるい気持ちで観ていた私ですが、高校野球のこの何がおこってもおかしくない感じはやっぱりいい。

またも阿久悠の話になってしまいますが、阿久先生は「ふり向くな君は美しい」という高校サッカーのテーマソングも作っていて、こちらもやはり敗者の姿を歌ったものなのですよね。

うつ向くなよ
ふり向くなよ
君は美しい


どちらが勝とうが負けようが関係ない。
全力で闘う姿が美しい。
敗者の美学のようなものが歌詞にこめられていて、こっちのほうも聞くたび胸にじわ〜とくるものがあるのですが。



↑あまり美しくない

というわけで『東京世界メシ紀行』(芸術新聞社)、書店用POPができました。



芸術新聞社の書籍担当の方と営業の方には本当にがんばっていただき、私という作家の数字を考えれば過分な部数を刷ってもらいました。
けれどどんな書店でも見つけられるというわけにはいかないと思います。

書籍の世界に勝ち負けはありませんが、せっかく紙の本を出す以上、紙資源の無駄にならないよう、できるだけたくさんの読者の方にお届けできるよう。
なにがなんでもこのPOPを使ってもらわなければ!と、鼻息荒い夜なのです。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年08月06日

『東京世界メシ紀行』つづき

高校野球にうつつを抜かしてあやうく宣伝を忘れるところでした。

というわけで『東京世界メシ紀行』(芸術新聞社)、いよいよ発売が今週金曜10日に迫ってきました。

グルメ漫画というカテゴリーではありますが、クーリエで連載中こころがけていたことはただひとつ。

「読んでおもしろいこと」
「おいしそうであること」



そのうえで、お店の人に直接インタビューし、調べまくった世界各国のめちゃ旨ソウルフードを知ってもらうことができればなお最高。
さらに望まれていないかもしれませんが、一話につきかならず一個以上だじゃれをねじ込んできています。

この本の主役、知世(ちせ)と相棒・米田(よねだ)が訪れるレストランは、全部都内に実在する「世界メシ」店。
残念ながら閉店してしまった店も1店ありますが、すべて現地のスタッフが店の味を守っている、正真正銘ソウルフードが存在しているお店ばかりです。


江古田のイスラエルへ


赤坂のトーゴへ


(移転しちゃったけど)八重洲のブルガリアへ

(手タレはたまたま近くにいた40代友人です。ご協力ありがとうございます)

ぜひ読んでいただきたい。
そしてもしよければ足を運んでいただきたいのです。

しかしこうしてしみじみ眺めていると、やっぱカラーはいいなあ。きれいだなあ。
正直言うと、本にまとまると思っていなかった連載なので、喜びもひとしおなのです。

『東京世界メシ紀行』(芸術新聞社)
よろしくお願いします。


  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年08月03日

お天気雨

かんかん照りの中でのにわか雨に遭遇。



農家である実家の亡き祖父や祖母に、お天気雨は豊穣の印、吉兆と言われ育ちました。
作物にとっては晴れも雨も、どちらも同じぐらい大切で必要なものだから。
当たり前といえば当たり前ですが、暑くていやだなあと思ったり、雨は雨でゆううつになったり。
そんな子どもらしい感情に、おじいちゃんとおばあちゃんは押し付けがましくなく寄り添ってくれていたのだなあ、と今になると思います。

『東京世界メシ紀行』(芸術新聞社)
単行本担当のy田さんが、本日見本を届けてくれました。


どすこい!

最後まで悩んだカバーの色もいい感じに出ていて嬉しいです。

土地が乾いて万年水不足の国も、いつもどんよりと空が灰色の国も、みな、それぞれの土地から採れたものから工夫して、今に根付いたソウルフードを作り、食べて生きています。
静かで熱い、そんな思いがこの漫画で伝わればいいなと思っています。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:27

2018年07月30日

歴史は繰り返す

さてNHK大河『西郷どん』、前回放送分でいよいよ西郷どんが龍馬や勝海舟と顔合わせを果たし、これから薩長同盟とか戊辰戦争とか明治維新とか、ドラマ的にも歴史的にも盛り上がり要素満載の流れになってまいります。

歴代龍馬役を演じた俳優といえば、「翔ぶが如く」の佐藤浩市と「JIN」の内野聖陽が私の中の二大推しメンになっているのですが、進取の気風にあふれた自由人キャラのオグシュン龍馬も、ひょうひょうとしてなかなかに素敵です。



そしてなんといっても小栗龍馬の今回の髪型。
昔懐かしいソバージュヘア、というかフラッパーヘア、というか。
かつてバブルの時代、この私も平たい顔のまわりにかけちまった青春のくるくるパーマ。

歴史は繰り返すのね(違うけど)、とか思いながら見守ってます。

『圧縮!西郷どん』(集英社文庫)


『いのうえさきこのだじゃれ手帖』(集英社コバルト文庫)


  

Posted by いのうえさきこ at 22:45

2018年07月09日

我が家のヒミツ

出かけるタイミングでその場その場の書店に立ち寄り、『圧縮!西郷どん』が並べてあるナツイチフェアの棚をチェックしがてら、なにかしらの本や雑誌を購入しているのですが。


池波正太郎と乙一(敬称略)という超ベストセラー作家の間。ありがてえ!

本日、ついにその「なにかしらの本や雑誌」のついでに自分の本を購入してしまいました。


実店鋪で購入していただいた方はナツイチキャラ「よまにゃ」のねこじゃらしブックマークつきです。

これできょうは確実に一冊売れてます。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年07月01日

本気出してこれ

大河ドラマ『西郷どん』を観ていたのですが、大砲を撃つシーンもないまま薩英戦争終了。

ヘタなりにがんばって描いた英国戦艦ですが



(↑…画力の限界)

という、スキあらばラクしようというもう一人の自分といま必死で戦っています。
まあまだ西郷どんはこれから幾多の戦いを経験せざるをえないので、
今回はここらでよかろうかい。


宣伝です。

『圧縮!西郷どん』(集英社文庫)


『いのうえさきこのだじゃれ手帖』(集英社コバルト文庫)

  

Posted by いのうえさきこ at 22:52お仕事

2018年06月22日

おいしいじゃんかスネジャンカ

きょうは湿度の高いやーな感じの暑さでしたが、
こんなときに食べたいのがブルガリア料理「スネジャンカ」。

かつてクーリエジャポンで連載していた『セカオカ』の取材で、ブルガリアンダイニング「ソフィア」(現在「トロヤン」という名に変わって銀座に移転)の方に教えてもらった「スネジャンカ」の作り方です。



レシピはほんとにたったのこれだけ。
きゅうりは細かいさいの目切り、塩とかオリーブオイルの量は自分のお好みで。
ディルはあるほうが風味が際立ちますが、私はほぼ使ってません。
ヨーグルトに塩とオリーブオイル!?と最初こそ思いましたが、これがもう意外なほどにさわやかでおいしい。
食欲の落ちる蒸し暑い日本の夏にぴったりだと思います。

ちなみにヨーグルトといえば「明治ブルガリアヨーグルト」。
ブルガリア人の魂でもあるヨーグルトを一企業の商品名に使うなんてと、当初ブルガリア側からストップがかかったらしいですが、最新の生産設備、品質管理、そして何より味のよさ、明治のプレーンヨーグルトにかける熱い思いを訴え続け、結果、このブルガリアの名前を冠することができた、という経緯があるそうです。

明治ブルガリアヨーグルトが今に生きるロングラン商品であると同時に
幕末から明治を生き抜いた西郷隆盛が今も人気者であることにかわりはありもはん。

というわけで本日も強引に宣伝です。
よろしくお願いします。

『圧縮!西郷どん』(集英社文庫)


『いのうえさきこのだじゃれ手帖』(集英社コバルト文庫)

  

Posted by いのうえさきこ at 23:14お仕事

2018年06月21日

僥倖

タイトルの「僥倖」。
「思いがけない幸せ」といったかんじの意味ですが、深谷かほる先生に紹介してもらった経緯で、ほそぼそと書き連ねてきたこのブログにお越し下さる方もおかげさまで(ちょっとだけ)増え、まさに僥倖にあずかってます。

かといって書くことはとくに変わらないのですが、
せっかくなので、このよろこびを表現しただじゃれを置いておきますね。



これからもよろしくお願いします。

『いのうえさきこのだじゃれ手帖』(集英社コバルト文庫)


『圧縮!西郷どん』(集英社文庫)
  

Posted by いのうえさきこ at 23:46お仕事

2018年06月20日

『圧縮!西郷どん』

『圧縮!西郷どん』(集英社文庫 税込540円)
6月21日発売です。

誰からも愛された西郷隆盛の人生を、漫画でぎゅぎゅっと文庫一冊に閉じ込めました。


コンパクトながら
「愛らしい西郷さん、
かっこいい西郷さん、
決めるときは決める西郷さん、
たまには人間くさくてかっこわるいんだけど
憎めきれない西郷さん」
の全部入りです。



西郷という男の目を通した幕末から明治の激動の日本も、漫画でするりとわかってしまう。


こちらは「圧縮ぶとん」

こちらが『圧縮!西郷どん』


こちらの
版元サイトからもオンライン書店e-honや楽天、紀伊国屋書店等の各ネット書店に飛べます↓
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-745753-7&mode=1

読んでやって下さい〜。  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年06月12日

『圧縮!西郷どん』

『圧縮!西郷どん』と書いて「ぎゅぎゅっと!せごどん」と読ませてます。
見本が上がってきました。


『圧縮!西郷どん』(集英社文庫 500円+税)

わかりやすくておもしろい。
西郷どんわかれば幕末わかる。
自分がほめずに誰ほめる。
なんとワンコイン+税金40円。

書店では月末ぐらいに集英社文庫の棚に並びます。
よろしくお願いします!

ネットでは現在予約受付中です↓
Amazonこちら。
楽天ブックスこちら。
紀伊国屋書店こちら。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年06月04日

『6月4日月曜日』

『6月4日月曜日』(里中満智子)

打ち合わせ帰りにネットを見ていたら、昔定期購読していた漫画雑誌の付録についていた『6月4日月曜日』(里中満智子)という漫画のタイトルを見つけ、電車の中でひとり声を出しそうになってしまいました。

しかし当時はなんとも思ってなかったけど


白血病で余命1年の小学6年生の女の子が、一日一日を大切に生きていこうと決意する。
という、私が説明すると情緒のかけらもないお話になってしまうのですが、里中満智子先生の描かれる小学生女子が美しくて、精神的なおとなっぽさにもくらくらします。

さておき本日6月4日月曜日、(まったく悔いがないといえば嘘になりますが)無事生き抜きました。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:59

2018年05月28日

岳飛伝

『圧縮!西郷どん』が校了し、いまの私は完全に『岳飛伝』(北方謙三著 集英社)の世界にどっぷりです。



北方版『水滸伝』を読み始めたときも、
「私が中国人の名前を108人とか覚えられるわけないし」
とか思っていましたが、登場人物のキャラがたってると、これがもうびっくりするぐらいすいすい読めてしまう上にぐいぐい引き込まれてしまうのだから北方先生の頭の中っていうのは一体全体どういう仕組みになっているんだか、ひきかえ同じ人間であるはずの私の頭はどうして新しいことを覚えると別の大事なことがトコロテン的に押し出されてしまうのか。

などとつらつら考えながら、何度も何度もページをくってます。
ちなみにこれもお仕事です。
『大水滸伝』シリーズの熱いファンの方々を思うとプレッシャーはんぱないですが、自分自身も読者の端くれとして、がんばります。
  

Posted by いのうえさきこ at 23:59お仕事

2018年05月22日

ああせい校正

監修の先生と担当編集さんと校正さんには、
ただもう感謝しかありもはん!




  

Posted by いのうえさきこ at 23:55お仕事

2018年04月24日

かわいそうなだじゃれ



ときには悲しい日もあるものですが、
あえてくだらないだじゃれを置いておきます。

人生(も手帖も)いつからでも始められる。

『いのうえさきこのだじゃれ手帖』(コバルト文庫)


まだまだしつこく発売中です。

  

Posted by いのうえさきこ at 22:46

2018年04月23日

世界はダジャレでできている

年金生活。
ではなく
粘菌生活。



それがこれ。
『粘菌生活のススメ』(新井文彦著 川上新一監修 誠文堂新光社)



私のような菌類ビギナーにもわかる粘菌入門本です。

この毒々しく美しいものが、植物でも動物でも菌類でもない不思議な生物・粘菌!


「美しくて、かわいくて、不思議で、ちょっと気持ち悪くて、だけどものすごく魅力的な生きもの」(まえがきより引用)である粘菌の写真と愛で方がたっぷりで、



と静かに興奮しながらページを繰っています。

老後に不安はいっぱいですが、粘菌生活は安泰に送れそうです。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:01美しきものたち

2018年04月08日

ぎゅぎゅっとざっくり最終回

『ぎゅぎゅっと圧縮!西郷どん』最終回更新してます。



絶大なカリスマ性を誇り、人気も絶大ながら、いらんこと言いだったりもなげやりだったり、意外と迷走していたその人生。
最後にきてなんかもうやけくそとしか思えない行動をとったりする、ちょっと人まかせなところにもシンパシーを感じます。
人間くささあふれる西郷さん、ぜひ読んでやってください。

そして今夏にはなんと文庫化 決定!

幕末人物メモと小ネタ16ページもぎゅぎゅっと追加。これさえ読めば西郷さんがざっくりわかる一冊になっているはず。
発売日が決まったらまたお知らせします。
よろしくお願いします。

  

Posted by いのうえさきこ at 13:11お仕事

2018年04月04日

ノグソフィア

少し前の日記に「ウシグソヒトヨタケ」について書きましたが、その流れでキノコ関連に興味が出て来て、今回ちょこちょこ書籍や図鑑を購入し読んでます。
その中で衝撃を受けた一冊がこれ。



くう・ねる・のぐそ
自然に「愛」のお返しを(糞土師・伊沢正名著 ヤマケイ文庫)


著者である糞土師・伊沢正名氏はキノコや変形菌の写真家として著名な方なのですが、その別名はなんと「野糞先生」。

「野糞」を生涯のテーマとし、
自ら「野糞」を実践して生きている人なのです。

伊沢氏が野糞を始めたのが24歳のとき。
40歳には独自の「伊沢流インド式野糞法」を確立させ、その後トイレを使わず1000日続けて野糞をする千日行を成就させます。
さらなる鍛錬を積んだ現在では、イレギュラーな場合をのぞき、ほぼ100%近い野糞率を誇っているらしい。

どうして、伊沢氏がアウトドアでお尻を出す行為にいたったか。
一言で言うと「無駄」だから。

腐食連鎖では、ウンコや死骸、そして枯れ木や落ち葉を食べる動物がその一部を担うが、最終的には菌類(カビやキノコ)とバクテリアがそれらをすべて食べ(腐らせ=分解し)つくし、無機養分に戻して土や水に還す。枯れ木や落ち葉、動物の死骸や糞などの有機物は、キノコなどの菌類が分解して無機物へ還元し、最終的に土へと戻していき、さらにそこから生まれたそこからまた、植物によって上りの連鎖が始まり、永遠の命の循環が成立する。このように、ウンコは残りカスではなく、下りの食物連鎖の出発点に立つ、大切な命の源なのだ。
(糞土研究会より引用)


けれど人間はその大切な「ウンコ」を大量の水を使い、大量の紙を消費し、膨大な費用をかけて処理している。
人間が自然にお返しできるものはウンコだけなのに。

つまり

野糞こそは人間がなし得るもっとも崇高な行為ではないか

と伊沢氏は考えたのだ。
伊達や酔狂ではなく、大真面目な自然保護の観点からの野糞ライフなのです。

病気を介在するのではないか?というもっともな疑問もあるのだけど、作法にのっとって処理をすれば汚くはないのだと、そのスマートなスタイルについてもイラスト入りで詳細に書かれています。

なんの価値もない対象に「クソが」(失礼)と悪態をつく人間がいるけれど、とんでもない認識不足だと言わざるを得ませんね。

さらにさらに本書後半には、ウンコが土に還るまでの過程を記録するという、価値はあるんだろうけど、実際には誰もやらない(やりたくない)調査野糞報告があります。
…いやいや、もうこれ以上は本読んで下さい。
ウンコ以上に価値のある一冊だと思います。

で、その糞土師・伊沢先生のwebサイトがこちら。

糞土研究会 ノグソフィア

「野糞」と、一見遠く離れた概念のように見える「ソフィア(叡智)」との合成語。
伊沢氏の提唱する糞土による生命の循環と哲学が すべてこの一語に集約されたすばらしい言葉ではないですか。

誕生→成長→死→腐って土に還る→誕生・・・この循環こそ生命が永遠に続く自然界の基本であり、それを守ることが自然保護の真髄だった。
(糞土研究会より引用)


※以上緑の斜体部分はすべて「糞土研究会ノグソフィア」のサイトから引用させていただきました。

そして伊沢氏の素敵なところは、自然保護という気高い理由もさることながら、野糞をすることで心身の開放感を感じているという点(大事)。

…ま、感激したからといって私が野糞をするかどうかはまったくの別問題なのですが。

本書では野山で手に入りやすい、ふきとりやすく肌触り最高の葉っぱ等についても図版で解説されています。
この本を読んでしまった私は、この夏ひまわりを見たらソフィアローレンの映画だけでなく、「これがお尻のふきごこち最高のひまわりの葉っぱかあ!」という別ベクトルに思いをはせることができるはず。
世界が広がったのか、映画の美しくも悲しいイメージが相殺されてしまうのか、自分でもちょっとよくわかんないのですが、還元のサイクルにちょっと参加できたような、そんな気がしているのは間違いないのです。

  

Posted by いのうえさきこ at 23:57